FC2ブログ

ゆぐどらぐらし

世界樹の迷宮2のプレイ日記のようなキャラ日記

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

ノージの日記 第3回

◆王虎ノ月 11日

友人の友人の話をしようかの。

この国は昔から世界樹に見守られた世界だったが、迷宮が見つかったのは意外と最近の話じゃ。
確かに、入り口がなくてその中の道が見えなければただの巨大な樹だからの。

しかし今ワシらが目の当たりにしているように、実際には過去には王家がこの迷宮に挑んだ形跡もある。
そこから漏れ出たんじゃろう、民間には伝承やおとぎ話の形でこの樹海についてのことが残っておる。
そいつ、この話の主も幼い頃から母親にそんなおとぎ話を聞かされて育ったそうじゃ。

例えば「あの樹の上には王様がいて、皆を見守っていてくれる」とか「あの樹にはどんな病気も治す木の実がある」とかな。
お決まりの「いい子にしていないとあの樹からたくさんのオバケが出てきて連れてかれる」なんてのもあったのう。
そんな他愛もない話の中で一つ、少年だったそいつの心を捉えて放さなかったものがあったんじゃ。
曰く「あの樹を上りきった先には、金銀財宝溢れる天空の城がある」、とな。

小さい子供じゃし、単なる未知への憧れじゃったと思う。
ただの、問題はその子は普通の者が働きはじめるような歳になっても、そのおとぎ話に心を囚われたままだったんじゃよ。

とはいえ、あの頃の世界樹は一般には完全にただの巨大な樹。
上る方法はといえば、外皮をよじ登るしかないと思われておった。
意外と、そいつは冷静でな。他の方法がないか調べたい、もし外皮を上るにしても先立つものがない。
そう思って、まずは街を出たんじゃ。遠回りしても、一生をかけてあの樹の上を見てやるんだ、そう堅く決意しておったからこそ、そうしたんじゃな。

彼は故郷から遠くはなれた地でそれなりに勇名を馳せた。
とある国では英雄に近い扱いで、なかなか旅立たせてもらえなかったほどじゃった。
しかしそんな時も、彼は故郷の世界樹を思い、ひきとめる人の手を払って歩みを進めたんじゃ。

……っと、もう遅いのう。続きはまた明日じゃ。


◆王虎ノ月 12日

さて、昨日の続きじゃ。

彼は冒険者として活動する間、何度か故郷へと戻っている。
そして数年滞在して、進展がないとまた旅に出る、そんなことを繰り返しておった。

そんな彼がそのサイクルを崩してこの国へと戻ったのが10年前。
理由は一つ、「世界樹の迷宮が発見され、上る手段が見つかったから」じゃった。
旧知の冒険者と共にそいつは世界樹に挑みはじめた。
が、意外にもその歩みは本当にゆっくりじゃったそうじゃ。
なんでも「一気に上りきってしまうのはもったいない」とさえ思っていたようで、まあ、本気になればいつでも制覇できるとでも思っとったんじゃろう。60にもなると言うのに阿呆じゃな。

しかし、そんな余裕を見せていられたのは数年程度じゃった。
その時一番進んでいると言われていた「フライツァイト」の壊滅、そして相棒の脱退。
これによってそいつの焦りは一気に加速するわけじゃな。

さすがにこの規模の探索を一人でするほど彼は愚かではなかったが、それまでの相棒が相当の腕利きだったせいで感覚がおかしくなっておったんじゃろうな。
メンバーを募集するギルドがあればとりあえず顔を出し、そして失望して脱退する。
酷いときにはそのギルドの実力に見合わぬ無理な行軍をさせてギルド自体を崩壊させたことすらあったんじゃ。
いつしかそいつは「死神」とか「疫病神」などと呼ばれてな。
ギルド本部の端に座っては新たな獲物を探してる、などと噂されて誰一人寄りつかない悪名高い老害となったわけじゃ。

おや、こんな時間か……うろ覚えの話は時間ばかり過ぎていかんのう。
まだもう少しあるので明日へ続くとしようかの。

◆王虎ノ月 13日

さて、どこのギルドも寄りつかず、かといって一人では探索できないジレンマに囚われた彼に、ある日転機が訪れる。

世間知らずの新米が、無謀にもそいつに声をかけたのじゃよ。
「絶対、楽しいですから」
などと言ってな。

その言葉に、くすぶっていたそいつの心の火種は大きく煽られた。
「楽しい……」
そいつは相棒と別れてよりの数年間、自分がこの世界樹の探索を「楽しい」と思った記憶がないことに気づいてしまったんじゃ。

そいつはじっと……じっと自分の手を見る。
骨が浮き出て筋ばった、お世辞どころか冗談でも若くはないその手を見て思いだす。
いつからか焦りから失いかけていた自分の人生の目標を……
そして、そのしわがれた手を伸ばし、そのひよっこと共に歩む事を選んだ、というわけじゃ。

それからの彼はずっと、ずっと楽しく幸せじゃった。
もちろん、かつて見たことのない高みにまでそいつを連れて行ってくれたことにも感謝していたが、なによりも冒険者としての情熱、リーダーとしての人望、明るさとひたむきさも兼ね備えたその新米が育っていくのが楽しかった……のだそうじゃ。


月日は流れ、そいつらはついに世界樹を制覇する。
そして、その先におとぎ話の世界にしかなかったはずの天空の城を見つけ出したんじゃ。
が、彼の心中は決して歓喜だけに包まれてはおらんかった。
かつての相棒との戦い、そしてその中で知る天空の城に住む非道の王の存在。
ずっと夢見ていた場所が楽園ではなかったことに幾ばくかの落胆を覚え、しかしそれ以上の怒りを持って今日もそいつは進んでおる。


幼き日、寝床でおとぎ話を聴いた次の朝、分厚い雲と木々の間から見たあの城を。
誰に話しても嘘だと斬り捨てられ、年甲斐のない妄信と笑われてなお信じたあの城を。
人生最後の仲間と決めた者達と共に今も進んでおるんじゃ。

本当に幸せで、終わって欲しくない時間なんじゃよ。
こんな年寄りになっても、時間はいつまでもいつまでも続いて欲しいと思うんじゃな……まったく、贅沢をしとるよ、ワシは。
スポンサーサイト



| ノージ/ドクトルマグス | 20:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑















非公開コメント

http://yggdlife.blog27.fc2.com/tb.php/76-b2e9465c

PREV | PAGE-SELECT | NEXT